学生・初期研修医へのメッセージ

一度しかない医師の人生、
一番興味のあることを
一生の仕事にしよう。

手技・手術が好きなだけでは長続きしません
病気に対する興味を持ち続けることが必要です

医師は自分の専攻診療科を自分で自由に選択できる極めて恵まれた職種であることに気づいていますか。
手技・手術が好きなだけでは長続きしません。飽きてしまう、燃え尽きてしまうことが起こり得ますが、重要なことは、その病気、その臓器に興味が持てるかどうかです。人によって時期は異なりますが、外科医もいつかメスを置く時が来ます。その後、医師としての職を続ける人は多く、病気に対する興味を持ち続けることが必要です。初期研修をどこで行うか、学生時代には重要な問題で、あたかも人生が決まってしまうかのうように思いがちです。それは多くの医師が経験することですが、医師になり10年も経てば、どこで研修をしたかは問題ではなく、どんな研修、正確に言うと、どんな姿勢で研修を行い、医師として初期に身に着けるべきものを確実に身に着けられるかが重要です。
経験する手術の件数は多いに越したことはないですが、問題は数ではありません。いかに考え、手術を組み立て、シミュレーションを行って手術に臨み、手術記事を自らシェーマを多用して記載し、どこに自分の手術に改良の余地があるのか熟考し、次の手術に向かう。この作業を繰り返し行い、それが普通のこと、ルーチンワークになるまで続けることが良き外科医への近道です。
これは簡単なことではなく「言うは易し、行うは難し」です。まずは「継続は力なり」で、好きになってやることです。嫌なことを我慢していると、いつか限界が来ますが、好きなことはいつまでも続けられると私は考えています。

患者さんがご家族と満面の笑顔で退院の時を迎える、
これが外科医として至福の時「magic hour」です

消化器外科医という仕事は、手術をして多くの場合病巣を取り除き、直接病気を治せるという大きな喜びがあります。患者さんがご家族と満面の笑顔で退院の時を迎える、これが外科医として至福の時「magic hour」です。しかし、その一方で、思わぬ合併症で命を落とす患者さんがいらっしゃるのも事実です。いつでも冷静沈着な対応が求められますが、これは日々の心がけと努力によるものです。いつも医師として真摯な姿勢で臨むことを守り続けることで、外科医としての年輪が増していきます。
手術は特別な手技が必要でも、サーカスやアクロバットのような動きも必要ありません。基本を忠実に守り、余計なことをしなければ手術は安定し、早く終了するものです。切除終了後の術野もとてもきれいなものとして認識できると思います。
私は、手術は絵と同じと考えています。ピカソもフェルメールもゴッホも作風は全く異なりますが、3人に机上のリンゴをデッサンしてくださいと言えば、寸分違わぬものが描かれると思います。ゆるぎない基本技術の上に、画家の個性が花開くものだと考えています。基本を習得せず、好きなように描くのは、子供の落書きと同じです。自由奔放ではあるかもしれませんが、芸術性はありません。手術は単なる技術ではなく、art(芸術)の部分が必要不可欠です。

低から高難度手術まで
バランスよく手術を習得することが可能

当教室では現時点でのいわゆる関連病院を持たないため、外科医として将来設計に不安を持たれる方もあるかもしれません。しかし、大学病院としては手術件数が多く、しかも専門的な手術に特化している訳ではなく、消化器外科初期研修時期に習得すべき術式・手術件数も多く、低から高難度手術までバランスよく手術を習得することが可能という特徴があります。また、名古屋大学の関連病院への2年程度の短期赴任あるいは愛知県がんセンター、国立がん研究所でのレジデント研修なども実施しています。
他施設で新しく、異なった技術を習得し、大学に戻りそれを還元するという循環を行っていくことで、関連病院を持たないことをむしろ強みとして教室の臨床能力をさらに高める工夫をしています。その年ごとに受験分野を定め、誰を受験者候補とするかを教室上層部で相談のうえ決定し、受験予定者に優先的に術者を任せることを行っています。ただし、その手術には技術認定既得者が術野の内外から直接・間接的にアドバイスを行っております。そのため患者さんが不利益を被るということは全くないと考えています。
日本全国のがん治療を均てん化する目的で、各地域でがん拠点病院を認定し、その成果もあり今では消化器がんの手術は多くの場合定型化されており、アプローチの方向がより低侵襲なものが選択される時代へとパラダイムシフトしています。消化器がん治療において、手術が根治のための王道であることは間違いありませんが、手術自体が集学的治療の重要な因子としてとらえるべきと考えています。
さあ皆さん、我々と一緒に誇れる愛知医科大学消化器外科を、ともに築いていきましょう。

当医局の研修の特色

当院は大学病院として、高度先進医療を提供する役割を担う一方で、長久手市に存在する唯一の基幹病院であるため、市民病院に近い役割も担っていると言えます。またドクターヘリを有しており救急医療にも力を入れています。そのため、当科では、肝胆膵領域や消化管領域(食道・胃・大腸)の高難度手術を行うと同時に、胆石やヘルニア、虫垂炎、痔などのcommon diseaseも数多く存在し、さらには腹膜炎に対する緊急手術も日常業務の一環として行っています。消化器外科医として多岐にわたる症例が経験でき、修練が積めるのが当医局の特徴です。

手術見学・入局に関する問い合わせ先

当科では他医療機関の医師の方の手術見学を受け付けております。手術見学をご希望の先生は当科医局長までご連絡ください。

愛知医科大学消化器外科
〒480-1195 愛知県長久手岩作雁又1番地1
電話:0561-62-3311 内線:22121
FAX:0561-63-0386
E-mail:

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Professor Interview - 教授 佐野 力 インタビュー